冷酷な王さまは愛し方を知らない
「そのように伝えておきます」
「わざわざありがとうございます」
キースさんだって忙しいだろうに。
アルさまのご命令だからって時間を割いてきてくださったんだわ。
「アルさまに想いをお告げになったと」
「え…」
「まさか、リズさんがアルさまを…、意外でした」
「え…っ」
アルさま、キースさんにそんなことまで?
恥ずかしくなって顔を俯けた。
「すみません。一国の王さまに…。私はただ、アルさまのお人柄に惹かれて…」
「それに驚いているのです」
「え…?」
「アルさまは、他人に対してあまりお優しい対応をされませんから」
それは、時折感じていた。
お優しい人だとは思うのに、言葉の節々に冷たさを感じる。
不器用なお方故なのか、それ以外に理由があるのか…。
「ですが、確かに、リズさまには心を開いていたように思います」
「そうでしょうか…」