冷酷な王さまは愛し方を知らない
「あんたのせいよ!許さない‼︎あんたなんかあの時死んでたらよかったのよ!」
声を荒げる。
そんな風に、憎悪の感情を自分に向けられるのは初めてで心が抉られる。
「でも、あの時のアルヴィンの姿は傑作だったわ!狼狽えてアンタの名前叫び続けて。ほんと笑えた!」
「え…」
「それだけはアンタを褒めてあげるわ!ここでアンタを殺して、それを見た時のアルヴィンの姿!とっても楽しみだわ」
何がルナさんをそうさせるのか。
王城で見た穏やかな上品に笑うルナさんの姿は消え、憎悪に顔を歪め気品なんてそこにはなくて。
「どうして…。ルナさんだってイリア王国の国民でしょう!?アルさまを裏切るようなこと…」
「先に裏切ったのはあっちよ!お父様から領土を奪って、資金を減らして!前王が消えたからマシになると思っていたのに!」
イライラと苛立ちが伝わる。