冷酷な王さまは愛し方を知らない
「いいこと教えてあげる」
思い出したようにフッと笑ってルナさんが勝ち誇ったような顔で切り出した。
ルナさんが横たわる私に近寄り、グッと私の顎をつかんだ。
視線を合わせ、不敵に笑う。
私はその手を離そうと顔を動かすが、それはかなわなかった。
「イリア王国の前王の死因知ってる?」
「え……」
死因…?
それはとても突然で。
理由なんて発表されなかった。
貴族の方なら知っているのかもしれないけれど。
ルナさんはそんな私の様子に満足そうに笑った。
「最期に教えてあげるわよ。暗殺されたの。私のお父様にね!」