冷酷な王さまは愛し方を知らない
「おかげで失敗したけどね。もう今更アルヴィンを暗殺したところでどうしようもない。でもね、あいつの苦しむ顔を見なくちゃ気が晴れないの」
「え……」
「あんたを殺して、あいつが絶望する姿をこの目で見てやる。邪魔したあんたに罰を与えられて、アルヴィンまで苦しめられるなんて一石二鳥でしょ?」
それはとても恐ろしく冷めた微笑で。
全てを捨ててしまっている様だった。
ゾクリと背筋が凍る。
「コハク、やりなさい」
冷めた口調でそう言うと、私から離れる。
ルナさんの命令に、コハクという彼は動き出す。
「承知した」
淡々とそう告げる。
左手で私の首元を抑えつけると、右手にナイフのようなものを取り出した。
冷たく、光のない目。
「いや…、やめて…」
「なるべく一瞬で殺してあげる。安心して」
安心して、なんてなにを安心すればいいのだろう。
どこかずれた発言が恐ろしい。