冷酷な王さまは愛し方を知らない
「相手が立場のある人だと、余計なこと色々考えちゃうのよね」
「余計なこと…」
「そ、余計なこと」
花の手入れをしながら、サーシャさんはそう言って笑った。
「一番大切なことは、リズの気持ちでしょう?」
「私の気持ち…」
「王さまはさ、考えてって言ったんでしょ?」
「…はい」
「それは、リズの気持ちを聞きたいということであるしょう。王妃になりたいか、ではなくて王さまと一緒いたいかを考えてみたら?」
アルさまと一緒にいたいか。
「…ありがとうございます」
アルさまと一緒にいたいかと聞かれたらその答えは決まっている。
自分の気持ちを認識したあの日から。