冷酷な王さまは愛し方を知らない
クリスさんの気持ちもわかる。
そして、サーシャんの気持ちもわかる。
どちらの気持ちもわかるからこそ、二人には幸せになってもらいたいと願う。
「リズには幸せになってもらいたいのよ」
「……サーシャさん」
私がサーシャさんに思っていたこと。
サーシャさんも思っていてくれたんだ。
余計に、サーシャさんにも幸せになってほしい。
「よく考えなさいな」
「はい」
「私はどんな結論でも応援するからね」
サーシャさんはいつだって私の背中を押してくれる。
だから私は迷うことなく自分の決断を信じて進むことができる。
ずっと心の中がモヤモヤしていた。
そのモヤモヤもスッキリして顔をあげることができた。
私の選ぶ道は。
進みたい道は。