冷酷な王さまは愛し方を知らない
リズの想い
この想いを伝えるには、どんな言葉が相応しいのだろう。
「よく来てくれた」
「…はい」
広い応接室で向かい合って座る。
私は、王城にやってきた。
門番に告げると話は通っていたのかスムーズに中に案内されこうしてアルさまと向き合っている。
「答えを、聞かせてくれるのか」
「…はい」
ドキドキと、心臓が煩い。
緊張する。
「あの…、アルさまはどうして私を王妃にと…」
答えを告げる前に聞きたかった。
アルさまが突然、私を王妃にと言った理由。
私の期待だけで、本当は違うかもしれないもの。
「キースに、叱られた」
「え」
「言葉が足りなさすぎると」
少しふて腐れたような声色。
アルさまの感情が少し垣間見えたことに驚く。