冷酷な王さまは愛し方を知らない
ミリアさんはきっと、根はとても真面目な方なのだと思う。
あの身のこなしは、きっと一長一短では身につかない。
それ程の努力をしたのだ。
それに……。
「私はミリアさんに、このようなところにいてほしくないんです」
「え…?」
「花屋ではなくても、もっと他にちゃんとミリアさんを人として見てくれる方の元で働くべきです」
「な…っ!同情なんていらない!どんな仕事でも、文句なんて言えるわけないでしょ!」
そんなことはわかっている。
お金のためだ。
その為に、仕事を選んでいる場合ではないこともある。
「ミリアさん…。お願いです。私の事を嫌っても、突き放してもいいです。でも、この話だけは考えてください」
同情…。
そうかもしれない。
でも、それだけじゃない。
サーシャさんを支えてくれる人を見つけたかった。
それが、一番だった。