冷酷な王さまは愛し方を知らない
「リズさま!精一杯お世話をさせていただきます!よろしくお願いします!」
「セシリア…!こちらこそ、よろしくお願いします」
私の身の回りのお世話をしてくれるメイドは、候補者選びの時お世話になったセシリアに決まったらしい。
知っている人でホッとした。
「嬉しいです!またリズさまのお世話をさせて頂けるなんて!それに、今度は王妃さまとして…!とても素敵です」
「私も、セシリアで安心しました。未熟者ですが、よろしくお願いします」
「こ、こちらこそ!」
何度頭を下げ合うのか。
おかしくなって吹き出すと、セシリアも同じことを思ったのか同じように吹き出した。
明るい笑い声が部屋に充満する。
さっきまでの緊張がフッと和らぐような。
ようやく、ホッと一息できたような感覚。
セシリアでよかった。