冷酷な王さまは愛し方を知らない


アルさまが戻って来られたのは、1週間後の事だった。



「騎士団が戻ってきます!」

「…!」



キースさんにそう告げられ、私は慌てて出迎えるために城門に急いだ。
どうかご無事で。

祈る気持ちが足を急かし、息を切らせて城門につく。



アルさまたちを向かるため、城門は開かれその先には城下と青い空。
その先に、アルさまの軍列を見つけた。



「アルさま…!」



城門から入ってきたアルさまの姿を見つけた。
急く気持ちを抑えながら、アルさまが近づくのを待つ。

歩き方を見てもどこかを庇っている様子はない。
あちこち血で汚れているけれどそれがアルさまの血なのか返り血なのかの判断ができない。



「アルさま…!どこかお怪我は…?」

「……平気だ」



声をかけた私に、アルさまは眉を寄せ苦渋の表情を浮かべそう言うと顔を反らした。
アルさま…?



「クリス!しっかりしなさい!クリス!」



アルさまの後方から、キースさんの切羽詰まった声が聞こえる。



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