冷酷な王さまは愛し方を知らない
胸が痛む。
そんな風に思ってほしくない。
「生きたいと思って何がいけないのですか!?」
「リズ…」
「生きたいから戦うのでしょう?生かしたい者がいるから、命をかけて戦っているのではないのですか!?」
それなのに、生きたいと思った事こそが悪みたいに。
戦うための原動力ではないの。
アルさまにとっては、これまでそうじゃなかったのかもしれない。
それは悲しいことだ。
「これから先の戦の時も、いつでも私を思い出してください!今度は私の笑顔を!そして、生きて戻ってくるために戦ってください!そのために力を振るってください!大切な仲間と共に…!」
もう泣かないと誓いますから。
貴方を笑顔で送り出すと誓うから。
私を側に置かないなんて言わないで。
「守るために振るう剣は、きっと無敵です!」
なんの根拠もないけれど。
目的があればきっと踏ん張れる。
きっと。
きっと。