冷酷な王さまは愛し方を知らない
仲間入り
「応急処置だからちゃんとお医者様に診てもらった方がいいかも…」
「別にいい」
私はコハクくんを近くだった花屋に連れて行き、ミリアさんに救急セットを借りて手当てを済ませた。
幸い鉄砲で撃たれた傷は掠り傷で血が止まれば大丈夫そうだった。
包帯をぐるぐると腕に巻きつけていく。
アルさまやクリスさんと同じ、傷だらけの身体。
これまでどんな任務をしてきたんだろう。
きっととても危険な事をしてきたんだろうことがわかる傷痕。
あんな風に恨みをかうくらいには。
「お前、変だ」
「え…?」
「こんな傷気にする。変」
「変って…」
淡々とした話し方は癖だろうか。
変だと言われても、なにが変なのかわからないし。
「心配するのは当たり前でしょう?私を助けてくれて怪我したんだし、そうじゃなくても誰かが怪我をしたら心配するのは当たり前だよ」
「心配…?心配した?」
「え…?心配、してるよ」