冷酷な王さまは愛し方を知らない

｢お金をもらったら、どんなことでもするの？｣

｢…する。それが仕事｣

｢どうして…｣

｢どうして？質問の意味わからない｣

｢怖くないの？今日だって、あんな風に逆恨みされて…｣



敵意も憎悪も私はずいぶん縁遠い場所にいたんだと知る。
私には、コハクくんの気持ちをちゃんと理解してあげることはできないんだろう。




｢そんなこと考えたことない。やっぱり、お前変｣

｢変変言わないでよ…｣



本当に私の考えがおかしいんじゃないかって気になってくる。
何も感じていない風。
相変わらず表情は変わらない。

きっと私の言葉も、理解しようとはしていない。



｢お前、王と関わりある？｣

｢え？｣

｢この前、お前助けに来ていた｣

｢…あ、えっと…｣



どう答えたらいいんだろう。
王妃になる予定、はまだ他言無用な事だし。

庶民だった私が関わりがあるなんて変な話だ。
だからと言って、無関係って言うのは助けてもらっていたのを見られているコハクくんには通用しないいいわけだ。