冷酷な王さまは愛し方を知らない
「お前が、アヤツを信じるというのなら、俺も信じよう」
「え…」
「それが俺の覚悟だ。リズを王妃に向かえると決めた時、お前を信じると決めた。お前なら、信じらえると」
アルさまにとって、それはどれほどの覚悟なのか。
裏切り、暗殺、そんなものが当たり前に側にあって。
それなのに、信じる道を選んでくださった。
「アルさま…っ」
「お前を、離したくないのだ」
「私も…、離れたくありません」
固く抱き寄せられ、私も答えるようにアルさまの背中に腕を回す。
「お前は、俺のものだ」
「…はい」
「他の誰にもやらん」
「はい…!」
信じてもらえる。
それはどれほど幸せな事だろう。
ゆるぎないものがそこにはあって。
私も、それに応えたいと願う。
私は応えなくちゃいけない。
アルさまの想いに。
全てをかけて。
愛しています、アルさま。