冷酷な王さまは愛し方を知らない
level 6
あらためまして
「お前が知った全てを話せ」
カツカツカツカツ…
アルさまが指でそばに置いてある小さいテーブルを叩く音が部屋に響く。
ピリピリとした空気に落ち着かない。
私はアルさまの隣の椅子に座らされ、目の前に地べたに座らされたコハクくんと向かい合っていた。
「まだほとんどなにもわかっていない。ただ、王さまを暗殺する計画が出ているのは確か」
「どうせ雇われたものだろうが、誰の手のものかは」
「調べてる時、襲われた」
あの後、アルさまとともに城に戻りこうしてコハクくんと話す機会が作られた。
側にはキースさんともしもの時のために騎士であるクリスさんも待機している。
「お前ほどの者が手酷くやられるとは、なかなかの手練れということか?」
「これは…、俺の失態。すぐ逃げるつもりだった。でも、彼女とのやりとりの紙を処分してた時だったから…」
「ほぉ、仕事熱心なのだな。契約者を切り捨てることなど造作もなく自分は安全な場所に雲隠れするものだと思っていたが」