冷酷な王さまは愛し方を知らない
さすがコハクくん。
アルさまに対して辛辣だ。
思わず笑ってしまう。
「リズは笑ってたらいい。リズの笑顔が、俺は好きだ」
「コハクくん…」
真っ直ぐなコハクくんの想い。
私を励ましてくれているんだろうな。
「ありがとう、コハクくん。勇気でた」
「うん」
そうだよね。
失敗したとしても、堂々と笑顔を絶やさず私らしくいる。
不安に顔を俯かせていたらきっと印象は良くない。
アルさまの奥さんとして、立派な姿をできる限り見せるんだ。
「花たちもありがとう。頑張ってくるね」
しゃがみ込んで花壇にそう話しかける。
花はいつだって私を勇気づけてくれる。
逞しく可憐に咲く花たち。
私もいつかそんな花になりたい。