冷酷な王さまは愛し方を知らない
「ただいま…、ってお父さん?また来たの?」
「おかえりなさい、サーシャさん」
「おお!サーシャ」
その時、買い付けに行っていたサーシャさんが戻ってきて、ゼスおじさんを見てうんざりした顔をする。
すらっとスタイルがよく、綺麗な金髪の髪の毛を一つにくくったサーシャさんはこの町の噂にあがるほどの美人。
それなのに、35歳の今までずっと独身を通してきている。
サーシャさんを狙っている男の人は後を絶たないのに。
「今度は気に入ってくれると思うんだが…」
「だから!どんなにお金持ちでも、どんなにかっこいい男でも!お断り!」
「なんでだい!お前だって、いつまでも貰い手があるとは限らないだろう!いい加減身を固めて…」
「しつこいわよ。今は、お花が私の恋人なの。今結婚とかそう言うの興味ないから」
サーシャさんに結婚してほしいゼスおじさんと、結婚したくないサーシャさんの攻防は両者一歩も譲らず。
毎日のように繰り広げられている。