冷酷な王さまは愛し方を知らない
アルさまはそれからもバタバタと忙しく、いつも厳しい顔をしていた。
切なく、寂しい気持ちが溢れる。
でも、なんと声をかけていいかわからない。
私のせい。
私が、異変に気づかなかったから。
私が倒れたことで、アルさまは自分を責めてる。
それこそ、自分のせいだと。
犯人を捕まえることに躍起になって。
倒れてしまわないだろうか。
ちゃんと眠れていない気がする。
少し痩せてしまったような。
目が覚めて暫くしてもなかなか身体が動かない。
毒のせいなのだろうと思う。
早く身体を治さなくちゃ。
アルさまにもう大丈夫だとお見せしなくては。
気持ちばかりが急いていく。
「アルさま…」
ずっと、アルさまの笑顔を見ていない。
寂しい。
切ない。
どうしようもなく。