冷酷な王さまは愛し方を知らない
ああ、なんて。
なんて嬉しい言葉をくれるんだろう。
いつだって私に温かな言葉で励まそうとしてくれる。
「ありがとう。キースさん…」
「いえ。本当のことを言ったまでです」
「だったら、尚更頑張らなくちゃ」
「え、今の話聞いていました?」
驚くキースさんに私は笑って見せた。
「アルさまに、早く笑ってもらわなくちゃ」
私のせいで、ずっと笑っていないアルさまを。
私が笑わせて差し上げなくては。
今度こそ前向きな気持ちなの。
今までみたいに、王妃としてって気持ちじゃない。
私として、ちゃんと立ち直って見せる。
そして、アルさまの前に立つんだ。