冷酷な王さまは愛し方を知らない
コハクくん、目を覚ましてから一度も顔を見ていない。
私のこの状態を自分のせいだと責めて、悔やんでいるという。
そんな風に自分を責めなくていいのに。
コハクくんのせいじゃない。
皆、自分のせいだと責めて悔やんでどうしようもなく悲しくなる。
「…アルさまも、ご自分を責めていらっしゃいますよね」
「それは当然だろう?」
「私はそれが、悲しいのです」
ずっと、伝えたかった。
責めないでと。
でもきっと、伝えたところでアルさまは責めてしまうから。
それでも、伝えたかったの。
アルさまも、私のせいじゃないと言ってくれる。
だから私も、アルさまに伝えたかった。
「今回の事、アルさまのせいではありません。だから、自分を責めるのはおやめください」
「そんなわけにはいかない。俺は、俺のせいでリズを死なせるところだった。迂闊だった。忘れていたのだ、幸せすぎて」
「え…?」