冷酷な王さまは愛し方を知らない
「お前を愛してる。ずっと側にいてほしい。俺の精一杯でお前を護る。だから、俺の隣でいつまでも笑っていてほしい」
「…はい。もちろんです、アルさま」
これ以上に幸せなことなどない。
どんな困難にだって立ち向かう。
それがアルさまと一緒なら。
「だめだな。こんな時に、リズのこと抱きしめてめちゃくちゃにしたくなる」
「えっ」
かあああっと顔を赤らめ身体を離しアルさまを見る。
悪戯っぽく笑ったアルさまが、「うそだ」とそう言った。
こんな時に。
アルさまはそう言ったけど。
私も、ふと過ぎってしまった。
もっとアルさまの側に行きたい。
触れてほしい、と。
恥ずかしくて、言えるわけないけど。