冷酷な王さまは愛し方を知らない
「リズ、なんだかつまらなさそうだ」
「え?」
「アルがいないからか」
自室でぼんやりとしていたら、コハクくんにそう指摘された。
自分が城を離れていた時に私の毒事件が起きてしまったから、もうアルさまがいない時には絶対にはなれないと、今回の戦には同行しないと駄々をこねたらしいコハクくん。
アルさまは、そういうだろとわかっていたらしく、そして私を頼むつもりでもあったらしくそれを受け入れていた。
リズを頼んだ、その一言を添えて。
「心配なの…。ご無事で戻ってきてくれるといいなって」
「あいつは、強い。簡単に殺されはしない」
「うん。そうよね。私もそう信じてる」
信じているけど、不安は過ぎる。
待っている間の急く気持ちはどうしても慣れなくて落ち着かない。
自分には待つことしかできないのだと。
何もできない自分を痛感するから。