冷酷な王さまは愛し方を知らない
檻の中
ぶっきら棒で口下手で、不器用な人。
それが私の愛する人。
キラキラ輝く金色の綺麗な髪。
優しい瞳が私を見てくれる時には、胸がドキドキ高鳴って仕方がない。
「リズ」
優しい声で名前を呼ばれれば自然と頬が緩んで。
抱きしめられれば幸せで満たされる。
あの人の側はなんと心地がいいのだろうかと。
目を開けば冷え切った天井。
なにもかもが冷たく温もりの感じない部屋。
王妃として迎えられた私に与えられた部屋は、イリア王国での私に与えられた部屋同様とても豪華な部屋。
でも、何の魅力も感じなければ、冷たく温かみのない部屋でしかなかった。