冷酷な王さまは愛し方を知らない
「リズさま、私の見解をお話しさせていただいてもよろしいでしょうか」
「え? ええ」
記憶を遡り考えているリズに、優しい声が語りかける。
現実に意識を戻し、リズが向き直ると、ルシィが優しく微笑みかけてくれる。
「おめでとうございます。おそらく、御懐妊されているようですよ」
「ーーえっ」
ルシィの言葉に目を見張る。
今、なんと言っただろう。
ーー御懐妊。
意味を考える。
「赤ちゃんが、いるの・・・?」
「はい」
私の中に。
アルさまとの赤ちゃんが。
涙がツーッと一筋流れた。
嬉しい。
アルさまと私を繋ぐ愛の結晶がここに。
嬉しくて、でも、切なくて、どうしようもない涙が溢れた。