冷酷な王さまは愛し方を知らない
「きゃっ」
それは突然だった。
突然、ゼルダ王が私の部屋に押し入ってきて私をベッドに押し倒したのだ。
「や、やめてください!」
「静かにしろ。いったはずだ、身も心も捧げろと」
鋭い冷たい視線が私を見下ろす。
背筋に冷たいものが走った。
いや。
絶対に、いや。
「じゅ、順序というものがっ」
「そんなもの、俺には関係ないな」
聞く耳を持たないゼルダ王は私の顎をつかむと、唇を塞いだ。
不快感が込み上げてくる。
ーーーアルさまっ!
ダンダンダン!
扉がけたたましい音で叩かれる。
そこでようやく体が離された。
ゼルダ王は舌打ちをして体を起こすと声をかける。
「大変です! アルヴィンを名乗る者が城門の前で暴れています!」
「なに!?」
「え・・・」
入ってきた従者の男性が切羽詰まった声で叫ぶ。
その言葉は、私の待ち望んだ人の名前だった。
アルさまーーーー?
本当に、アルさまなの。
ゼルダ王は苦々しい表情のまま飛び出していった。