冷酷な王さまは愛し方を知らない
level 8
幸福論
目を覚ますと、ベッドの上だった。
それも、懐かしい私の部屋のベッド。
「リズ!目が覚めたか!」
「アルさま・・・」
「気分はどうだ。喉が乾いているだろう、水を」
「ありがとうございます。心配をかけてしまいましたね・・・」
熱で倒れてしまったのだわ。
私には守らないといけない大事な命があるのに。
「いろいろと、気を張っていたのだ、仕方ない。ここに戻ってきたのだから、もう心配はない。ゆっくりと体を休め安静にしていろ」
「はい・・・」
戻ってきたのだ。
戻りたかった。
私が一番望んでいた場所。
一緒に戻りたい人と戻ってこられた。
それが、これ以上ない幸せ。