冷酷な王さまは愛し方を知らない
「おかえりなさいませ、アルさま」
「ただいま。体は問題ないか?」
「ええ。歩くのにもしんどいくらい体が重いくらいです」
優しい手が私の大きくなったお腹をさする。
それに応えるように中で赤ちゃんが動いた。
それがアルさまにもわかったのか嬉しそうに笑って何度も何度も優しく撫でる。
「もうすぐ会えるのだな」
「ええ、楽しみですね」
どんな名前をつけようか。
男の子だろうか、女の子だろうか。
アルさまとの子なら、元気に生まれてくればどちらでも構わない。
生まれてきたかわいい我が子を、精一杯愛して育てていくと決めた。