冷酷な王さまは愛し方を知らない


「これより1時間がリズさまとアルヴィン様のお時間となります。私は部屋の隅で待機しておりますので、双方の同意の上でご自由にお過ごしください」



クリスさんの言った通り、次の日には初めてのその時間がやってきた。
正装姿で訪れた私の部屋を訪れた王さま。




「あの、何をすれば…」

「それを決めるのはお前だ」



そんな事を言われても…。
自分で自分をプレゼンするという意図があるのだろうか。
でも私は、自分を良く見せたいとかそんな思いは到底ないし。

王妃の座なんて狙っていないのだから。



「あの…、他の方とももう過ごされたのですよね?」

「…ああ。お前が最後だ」



私が最後。
1時間という事は、これまでの3人とも1時間ずつ過ごされたのだろう。
それに昨日までは公務で忙しくされていた。


よし。




< 51 / 413 >

この作品をシェア

pagetop