冷酷な王さまは愛し方を知らない
level 2
争いの傷跡
前回のあの時間から、王さまは私の時間にはお休みになるようになった。
3回目からは私が勧めなくてもお休みの体勢になられる。
「王さま、おじか…」
「リズさま。時間延長して構いませんのでもうしばらく、ベッドをお貸しいただけますか?」
王さまを起こそうとした私をキースさんが制する。
私は頷いてそっと離れた。
キースさんは、王さまのこと、本当に大切に思っているんだろうな。
「ありがとうございます」
「いえ。少しでも、安らげるなら…」
王様は部屋に来てベッドに横になるとすぐに眠ってしまう。
きっととてもお疲れなのだろう。
普段あまり眠れていないと言っていた。
気がかりなことがいろいろとあって、気が張っているのだろうか。
「あの、他の方とはどのように過ごされているんでしょうか」
「様々ですね。お話をなさったり、庭に出られたり…。王さまもあまり乗り気ではないので、皆さま苦労されていると思いますよ」