冷酷な王さまは愛し方を知らない
「アルさま、アルさますみませんが起きてください」
「・・・ん?なんだ…」
「コールド王国が挙兵したようです。こちらに向かっているとの情報が」
「・・・わかった。すぐ挙兵の準備を。着替えを済ませ、すぐに向かう」
「はっ。私は先にクリスと合流いたします」
「ああ」
王さまは起こされてすぐキースさんの言葉を聞きテキパキと応答する。
すぐに切り替わる様を見て、すごいと思った。
こういう事、よくあるんだろうか。
だから、いつだって寝不足であまりよく眠れない…?
「リズさま、慌ただしくて申し訳ありません。指示があるまでどうかこちらでお待ちください」
「は、はい…。あの、戦になるのでしょうか…」
「・・・おそらく。ですが、王都までこさせはしませんので、ご安心ください」
戦…。
恐怖が襲う。
こんな風に、間近で感じる事って今までになかったから。