冷酷な王さまは愛し方を知らない


キースさんの口から、候補者選びを再開させると言われたのはそれから三日も経たないうちだった。
あれほどの傷を負ったアルさまを休ませるためしばらくはないだろうと思っていたのに。



「アルさまのお怪我は大丈夫なのですか?」

「完治はしていません。ですが、アルさまご自身の決断です」

「ご自身のって…。そんな、あんな怪我を負っていたのに」



すぐに動けるような怪我じゃなかったはずだ。
怪我の状態は見ていないけれど、あの血の量。



「候補者選びには三カ月という期限があります。悠長にしている時間はありません」

「そんな…!アルさまのお身体より、そんなことが大事だというのですか?」

「王妃さまを選ぶことは、国にとってもとても重要な事です」




キースさんは、アルさまの味方なのだと思っていた。
アルさまの身を案じ、大切に思っているのだと。



「決まったことですので。今日の午後1時間ずつ時間を設けていますので、よろしくお願いします」




キースさんは、そう言うと反論は聞かないというように踵を返していってしまった。


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