冷酷な王さまは愛し方を知らない
穏やかな一日
初めて、アルさまと眠るアルさまを見つめるだけじゃない時間を過ごした。
でも、不覚にも泣いてしまった私に、アルさまはなんと感じただろう。
こうして時間を過ごすことで、アルさまは何かを掴めているのだろうか。
私が選ばれるなんてことはきっとないにしても。
なにを見てなにを感じて選ぶのだろうか。
でも、期限は決まっている。
3か月というのは長いと思っていたけれどはじまってしまえばもう半分は終わっていた。
後半分。
そう考えるとせっかくの機会なのだ、自分の暮らす国の王さまとこうして顔を合わせることはとても貴重な時間だ。
どうせなら、アルさまにも楽しんでもらいたい。
「キースさん、次の時間はいつになりそうですか?」
「次…ですか。驚きましたね。リズさまはあまり乗り気ではないように思っていましたが」
「それはそうですが…。こんな機会はもうないと思うのでせっかくならと」
昼食時にそこにいたキースさんに声をかけると、驚かれてしまった。
私は正直にそう告げると、キースさんは優しく微笑んだ。