冷酷な王さまは愛し方を知らない
私とシイナさまは場所を変え、シイナさまに与えられている部屋にいた。
そこは私に与えられた部屋と同じ階にあり、中の様子も似たものだった。
そのことに私は少し驚いたが、口にすることはなかった。
「私とアルヴィンは幼なじみのようなものなの。今回の件では、言わば協力者ね」
「協力者…?」
「そう。表向きは王妃を目指す候補者だけどね」
表向きはということは、本当はそうじゃないということ。
でもどうして…?
「いつか、アルヴィンから貴方に話してくれるはずよ」
「え…?」
アルさまから私に?
どういうこと?
シイナさまの話は私にはよくわからなかった。
「でも、気をつけなさいね。私以外は皆敵だと思いなさい」
「…え?」
最後にそれまで以上の謎を残して私たちは解散した。