うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
けれど二十八歳にもなって恋愛経験ゼロとは、なかなか母親に打ち明けられない。ましてや私のことを心配している母親を前にしては……。
「そんな相手はいないし、今は仕事が楽しいから」
テーブルに散らばっていた書類をまとめながら誤魔化す。
仕事が楽しいのは本当だし、もちろん相手がいるわけないから嘘をついているわけではない。
そう自分に言い聞かせ正当化している自分に虚しさを覚えながら、パソコンをシャットダウンさせると、お母さんは私を気遣うように言った。
「そっか。……もしこの先、素敵な人と出会えたら家族より恋人を優先してあげてね」
お母さんの声に手の動きが止まる。
最後に「あまり無理しないようにね、おやすみ」と言うと、お母さんは静かにリビングを出ていった。
お母さんの背中を見送りながら、複雑な気持ちになる。
つい最近まで学生だった気がするけれど、もう二十八歳。四捨五入したら三十歳だ。
「そんな相手はいないし、今は仕事が楽しいから」
テーブルに散らばっていた書類をまとめながら誤魔化す。
仕事が楽しいのは本当だし、もちろん相手がいるわけないから嘘をついているわけではない。
そう自分に言い聞かせ正当化している自分に虚しさを覚えながら、パソコンをシャットダウンさせると、お母さんは私を気遣うように言った。
「そっか。……もしこの先、素敵な人と出会えたら家族より恋人を優先してあげてね」
お母さんの声に手の動きが止まる。
最後に「あまり無理しないようにね、おやすみ」と言うと、お母さんは静かにリビングを出ていった。
お母さんの背中を見送りながら、複雑な気持ちになる。
つい最近まで学生だった気がするけれど、もう二十八歳。四捨五入したら三十歳だ。