うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
「安心した、姉ちゃん……本当に好きなんだね」

しみじみと話す隼人に、違和感を覚える。

「私、彼のことをそんなに好きなように見える?」

思わず聞くと隼人は逆に質問してきた。

「見えるもなにも、好きだから付き合っているんだろ? なに? 好きすぎてヤバいってやつ?」

笑いながら言われ、動揺してしまう。

副社長に対して見方は最初に比べて変わったし、私は彼に惹かれているとは思う。でも隼人の目に自分は彼が好きでたまらないと見えることに対し戸惑いを隠せない。

「今度、会わせてよ」

「あ、うん。……機会があれば」

言葉を濁すと、隼人は「絶対だからな」と念を押してきた。

「わかったよ」

返事をしたものの、私の心は大きく揺れたまま。

「隼人、ありがとう。ごちそうさま」

宣言通り彼は奢ってくれた。

「いいって。恐らく姉ちゃんより稼いでいるし。今日は実家に泊まるから一緒に帰ろう」

「え、そうなの?」

店の外に出て肩を並べ最寄り駅へと向かっていく。
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