うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
「あぁ。……早急に見合いをしたいと」

「お見合いって……」

ドクンと胸が鳴る。

嘘、でしょ? どうしてお見合いだなんて――。

唖然とする私に、社長は眉根を寄せて続けた。

「私が認めた相手なら誰でもかまわないと言われたよ。……私の目に廉二郎はヤケになっているようにも見えた。……ふたりの問題だとわかってはいるが聞かせてほしい。廉二郎となにかあったのか?」

「……いいえ」

私としては、社長に報告するようなことはなにひとつない。

でもさっき堀内さんが言っていた噂を、副社長も聞いていたら?

そうなると噂が広まった昨日から連絡が途絶えたことも、さっきの返信も、急にお見合いしたいと言い出したことも全て辻褄が合う。

でもあんまりじゃない? 副社長は勝手に勘違いをして、お見合いをしようとして、一方的に私との関係を終わりにしようとしているのだから。

真っ直ぐで不器用で素直だからこそかもしれないけれど……。だめだ、考えれば考えるほど怒りがこみ上げてくる。
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