うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
前もそうだったよね? 副社長はなんでも自分で勝手に判断してばかり。私の気持ちなんて完全に無視しているじゃない。

「日葵……」

いつになく声を荒げる私に、副社長は目を瞬かせ私の名前を呟いた。それがまた私の苛々を募らせた。

「こんな時に名前で呼ばないでください! ……私は怒っているんです。以前にも言いましたよね? 私はあなたの彼女ですと。どうして私のことを信じて下さらなかったのですか? 他に好きな相手ができたら、副社長と一緒に食事を作ったり、休日を共にしたりなどいたしません! ……私だって、副社長と過ごす時間は楽しくて幸せですから!」

興奮し、早口で捲し立てると聞いていた副社長は目をパチクリさせた後、恐る恐る尋ねてきた。

「それはつまり、少しはキミに好意を寄せられていると思ってもいいのだろうか……?」

真実ながら面と向かって質問されて、身体中が熱くなる。

「それはっ……ですね!」

徐々に顔も熱くなり、居たたまれなくなる。
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