うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
『正しい告白のススメ』
外出先からの帰りの車内。バッグミラー越しに目が合った社長は、ホクホク顔で聞いてきた。
「なぁ、井上くん。そろそろ結婚式場を押さえた方がいいんじゃないか? 大安吉日はすぐに埋まると聞くし」
「その心配はご無用です。まだそのような予定はございませんので」
真っ直ぐ前を見たまま答えると、社長は身を乗り出した。
「そうだな、結婚式場を押さえる前にまずは結納だ」
「……ですから社長、私と副社長はまだそのような関係ではございませんので」
きっぱり言ったものの、社長はニッコリ微笑んだ。
「そうか、まだそのような関係じゃないだけで、いずれそうなるかもしれないってことだね」
“まだ”を強調して言われ、ハッとする。けれど時すでに遅し。
「うんうん、わかったよ。ゆっくりとキミたちのペースで愛を育むといい」
社長は満足げに頷きながら、再び後部座席の背もたれに体重を預けた。
「なぁ、井上くん。そろそろ結婚式場を押さえた方がいいんじゃないか? 大安吉日はすぐに埋まると聞くし」
「その心配はご無用です。まだそのような予定はございませんので」
真っ直ぐ前を見たまま答えると、社長は身を乗り出した。
「そうだな、結婚式場を押さえる前にまずは結納だ」
「……ですから社長、私と副社長はまだそのような関係ではございませんので」
きっぱり言ったものの、社長はニッコリ微笑んだ。
「そうか、まだそのような関係じゃないだけで、いずれそうなるかもしれないってことだね」
“まだ”を強調して言われ、ハッとする。けれど時すでに遅し。
「うんうん、わかったよ。ゆっくりとキミたちのペースで愛を育むといい」
社長は満足げに頷きながら、再び後部座席の背もたれに体重を預けた。