うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
副社長の誤解がとけてからというもの、社長は今までにも増して、やたらと彼との結婚をほのめかすようなことを言ってくる。

そのたびに居たたまれない気持ちになる。現に今だって……。

視線を感じて隣を見れば、社長専属の運転手と目が合った。すると彼は気まずそうに言う。

「安心してください! 決して口外などいたしませんから!」

あぁ、新たに運転手さんに誤解されてしまった。

けれど一々社長がいる中、説明するのが面倒で「ありがとうございます」と伝え、真っ直ぐ前を見据えた。

本当に困る。まだ私たちの関係は曖昧なままなのに。

最近の私は、夜な夜な恋愛漫画や純愛小説、恋愛記事が掲載されている雑誌を読み漁っていた。

どれを読んでも出る答えはひとつ。

恋愛漫画や小説を読んでキュンとしたり、ドキドキするのは、副社長に対して感じる気持ちと同じ。

そして雑誌に書かれていることは、まんま自分のことを言われているようだった。
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