うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
『正しいプロポーズのススメ』
廉二郎さんたちの記者会見の翌日から、我が社は大混乱に陥っていた。各部署で協力し、コールセンターに社員を派遣し対応に追われていた。
心労がたたり、社長の入院期間は伸び、それがまた社員たちの不安を煽った。
「こんな創設以来の大事件の時に、社長がいないなんて」と嘆く者。「副社長で大丈夫なのか」と不満を口にする者。様々だった。
自主回収がはじまって三日目。受付から内線が入った。
「はい、秘書課です」
一番近くにいた私が出ると、電話越しからは受付の社員の焦った声が聞こえてきた。
『すみません、受付です。今先ほど、副社長の会わせろと来社された女性がおりまして。……副社長は外出中ですとお伝えしたですが、そちらに向かわれてしまって』
「えっ……そちらって秘書課ですか?」
『はい。秘書に直接聞くからいいと』
次の瞬間、勢いよく秘書課のドアが開いた。一瞬にしてオフィス内は静まり返る。
心労がたたり、社長の入院期間は伸び、それがまた社員たちの不安を煽った。
「こんな創設以来の大事件の時に、社長がいないなんて」と嘆く者。「副社長で大丈夫なのか」と不満を口にする者。様々だった。
自主回収がはじまって三日目。受付から内線が入った。
「はい、秘書課です」
一番近くにいた私が出ると、電話越しからは受付の社員の焦った声が聞こえてきた。
『すみません、受付です。今先ほど、副社長の会わせろと来社された女性がおりまして。……副社長は外出中ですとお伝えしたですが、そちらに向かわれてしまって』
「えっ……そちらって秘書課ですか?」
『はい。秘書に直接聞くからいいと』
次の瞬間、勢いよく秘書課のドアが開いた。一瞬にしてオフィス内は静まり返る。