うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
「社長、失礼します。井上です」

ドアをノックして入ると、そこには社長の他にlovelyの社長と、先日我が社を訪れた朱美さんの姿があった。

「大変失礼いたしました」

すぐに謝罪し、病室から出て行こうとしたものの、社長に「居てくれて構わない」と引き留められ、足を止める。

そう言われると、出て行くわけにはいかないけれど……それでもやっぱり気まずい。

lovelyの社長と彼女に一礼し、端に立った。

「彼女は私の第一秘書なんだ。彼女がいてもいいだろ?」

「あぁ、もちろん」

lovelyの社長、二階堂社長にそう言われ、ホッと胸を撫で下ろす。そのままチラッと彼女……朱美さんを見る。

こうやって間近で見ると、ますます可愛い。私より年下だよね? きっと。

廉二郎さんはこんなに可愛い子が幼い頃からずっとそばにいて、好きになったりしなかったのかな?

私が男の子だったら間違いなく好きになっちゃいそうなのに。
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