うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
「子供たちの婚約と同時に、援助の発表をする。その方が話題性になると思わないか? 祝福モードに持って行き、Brightのイメージアップを図れるだろうし」

二階堂社長に続き、朱美さんも口を開いた。

「私も父の考えに賛成しています。……それに私はずっと、結婚するなら廉二郎とって決めていましたから」

彼女の話にドクンと胸が鳴る。

結婚するなら彼と決めていたってことは、もしかして朱美さんは廉二郎さんのことが好きなの? そんな――。

頭の中は混乱し、呆然と立ち尽くすことしかできない。

「どうだ桜、悪い話ではないだろう」

声高らかに笑う二階堂社長に、社長はチラッと私を見た後、二階堂社長に伝えた。「廉二郎の問題だし、少し考えさせてくれないか」と。

その後、上機嫌で帰っていった二階堂社長と朱美さんを玄関先まで見送り、トボトボと重い足取りで病室まで戻っていく。
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