うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
朱美さんと廉二郎さんが結婚。……決して悪い話じゃないはず。我が社にとっては願ってもない話だよね。

でも社長と廉二郎さんが二階堂社長の申し入れを受け入れるということは、私と廉二郎さんの関係が終わることを意味している。

「戻りました」

病室に戻ると社長はすぐに私に言ってくれた。

「廉二郎の気持ちを無視するようなことを私は父親としてしたくない。あいつの援助なしにどうにか会社を立て直してみせるから、井上くんはなにも心配せず、廉二郎を支えてほしい」と。

社長の気持ちは嬉しい。でも本当にそれでいいの?

「わかりました」

と言うものの、私の心は大きく揺れていた。

私には廉二郎さんのためにできることがなにもない。ただそばにいることしか。……でも彼女は違う。会社を立て直すことができる。

不安と戸惑いは募るばかりだった。
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