うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
もしかして副社長に会いにきたのかな。でもそれならこの前のように直接副社長室に行くはず。じゃあ誰を待っているんだろう。

気になるものの、私には関係のない話だよね。

再び足を進め、彼女の横を通り過ぎ、駅へ向かおうとした時、「待って!」と呼び止める声に再び足が止まる。

振り返ると、私を呼び止めたのは朱美さんだった。

「あっ……」

嘘、もしかして彼女が待っていたのは私? でもなぜ?

混乱する私の元へ来ると、朱美さんは真っ直ぐ私を見つめ言った。「話があるの」と――。



彼女に導かれるがまま、近くのカフェに入り、注文したカフェオレが運ばれてきた。

「どうぞごゆっくりお過ごしください」

ふたつのカフェオレをテーブルに並べると、店員は去っていく。
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