うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
そしてあっという間に自宅前に到着し、彼は車を停車させた。

「ありがとうございました」

お礼を言い、シートベルトを外す。いつもだったらここですぐ車から降りるところだけれど……今日は違う。

バッグの中からキーケースを取り出し、「日葵?」と不思議そうに私を眺める彼の前で合鍵を外し、彼に差し出した。

途端に廉二郎さんの表情は硬くなる。

「これはどういうことだ?」

鍵を受け取ることなく、鋭い目で私を見つめる彼にずっと伝えたかったことを口にした。

「廉二郎さん……どうかlovelyの会社の援助を受けてください」

すると彼は目を見開き、焦った様子で問う。

「それがどういう意味か、日葵はわかっているのか?」

もちろんわかっている。深く頷いた。
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