うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
気持ちも新たにドキドキしながら実家へ向かっていく。

時刻は十一時過ぎ。十一時には隼人が彼女を連れて来ると言っていたし、もういるかもしれない。

そう思うと緊張してくる。

隼人の彼女か、どんな人かな? これまで家に連れて来た子はみんな可愛いくて、みんないい子だった。

もし本当に結婚となったら、義妹になるんだもの。仲良くなれたらいいな。

期待に胸を膨らませて実家のインターホンを押すと、すぐに兄弟たちの騒がしい声が聞こえてきた。

「ただいま」

『あー! 日葵姉ちゃん、帰ってきたー!!』

そしてバタバタと足音が聞こえてくると、みんなで私を出迎えてくれた。

「日葵姉ちゃん、久しぶりー」

「早く入って入って!」

幼い兄弟組が私の手を引き家に招き入れる。

「もうわかったから」

そう言いながら歓迎されているのが嬉しくて口もとが緩む。

リビングへ向かうと、両親をはじめ、隼人たち家族全員勢ぞろいしていた。

「おかえり、日葵」

「……ただいま」

両親に言われ言葉を返すものの、戸惑いを隠せない。どこにも隼人の彼女らしき人はいなかったし、彼女を迎え入れるような豪華な料理などの準備もしてない。
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