うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
なによりなぜか家族全員よそ行きの格好をしている。幼い兄弟たちも、しっかりおめかししちゃっているし。

不思議に思い首を捻る私に、みんなは顔を見合わせた後、立ち上がった。

「よし、それじゃ出掛けるか」

お父さんの一言に「はーい」と返事をする兄弟たち。

「え、ちょっと待って。出掛けるってどこに? それに隼人、彼女は?」

お父さんに聞いた後、すかさず隼人に尋ねるとなぜかみんな笑っている。

「それは着いたら話すから、出掛けましょう」

それなのに誰も答えてくれず、お母さんは私の背中を押して来る。

混乱する私を連れて、両親や隼人たちが運転する車に別れて乗り、向かった先は都内のホテル。

ホテル……? もしかして隼人の彼女とここで会うの?

それだったら、みんながよそ行きの格好をしていたことに納得できるけど……。

「ちょっと隼人、ここで彼女と会うことになっていたなら教えてよ。私だけ思いっきり普段着じゃない」
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