うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
駐車場からホテルに向かうみんなの後に続きながら、隣を歩く隼人に文句を言う。

「そう? 姉ちゃんの格好、別に変じゃないけど」

そうは言ってもカジュアルなワンピースだ。それに比べて隼人はしっかりスーツを着ている。どう見ても不釣り合いじゃない。

「それ、本気で言っているの?」

ジロリと睨むと隼人は笑う。

「ごめん、冗談。……大丈夫、姉ちゃんの服はちゃんと用意しているから」

「……え、用意?」

首を傾げる私に隼人はニヤリと笑った。

「あぁ、だから安心して」

家族とロビーで別れ、隼人に連れられてやって来たのはホテル内にあるレンタルショップ。

「すみません、予約していた井上です」

「お待ちしておりました、どうぞこちらへ」

すぐに店員に連れられ、店の奥へ。

振り返ると隼人は笑顔で手をひらひらさせ、「いってらっしゃい」なんて言っている。
< 300 / 330 >

この作品をシェア

pagetop