うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
「もう、ふたりともまだはじまってもいないのに……」
明るい声で言うものの、つられて泣きそうになる。
すると両親は涙を拭い、感慨深そうに話し出した。
「そうよね、まだはじまってもいないのに、泣いている場合じゃないわよね。……でもね、私とお父さんにとってやっぱり最初に授かった日葵は特別なのよ」
「あぁ、みんな大切だが日葵には長女故、つらい思いや苦労をたくさんさせてきたからな。……そんな日葵が結婚するんだ。これほど嬉しいことはない」
お父さん、お母さん……。
ふたりの想いにいよいよ泣いてしまいそうで、唇をギュッと噛みしめた。
「日葵、結婚おめでとう」
「廉二郎くんと幸せにな」
「……うん、ありがとう」
堪え切れず涙が零れ落ちた。
本当はふたりに伝えたいことが、たくさんある。けれど今は胸がいっぱいで言えそうにない。
でも大丈夫。二十八年分の感謝の気持ちは、披露宴で読み上げる手紙に綴ったから。
そしてはじまった挙式。私より緊張しているお父さんと腕を組んで家族や友人、会社の同僚たちに見守られ、ゆっくりとバージンロードを進んでいく。
明るい声で言うものの、つられて泣きそうになる。
すると両親は涙を拭い、感慨深そうに話し出した。
「そうよね、まだはじまってもいないのに、泣いている場合じゃないわよね。……でもね、私とお父さんにとってやっぱり最初に授かった日葵は特別なのよ」
「あぁ、みんな大切だが日葵には長女故、つらい思いや苦労をたくさんさせてきたからな。……そんな日葵が結婚するんだ。これほど嬉しいことはない」
お父さん、お母さん……。
ふたりの想いにいよいよ泣いてしまいそうで、唇をギュッと噛みしめた。
「日葵、結婚おめでとう」
「廉二郎くんと幸せにな」
「……うん、ありがとう」
堪え切れず涙が零れ落ちた。
本当はふたりに伝えたいことが、たくさんある。けれど今は胸がいっぱいで言えそうにない。
でも大丈夫。二十八年分の感謝の気持ちは、披露宴で読み上げる手紙に綴ったから。
そしてはじまった挙式。私より緊張しているお父さんと腕を組んで家族や友人、会社の同僚たちに見守られ、ゆっくりとバージンロードを進んでいく。