うぶ婚~一途な副社長からの溺愛がとまりません~
秘書課に戻り、社長宛てに届いた郵便物をチェックしながら、やっぱりまた副社長のことを考えてしまう。

私より二歳年上で、なにより将来はこの会社を背負って立つ身として、結婚に対して焦りがあったのかもしれない。

だから簡単に結婚してもいいと言ったのかも……。

社長が秘書の私にも愚痴を零すくらいだもの。副社長は社長から毎日のように言われているのかもしれない。「早く良い相手と結婚してほしい」と。

私があんなことを言った手前、副社長はヤケを起こしたりしていないだろうか。もう誰でもいいなんて思っていない?

社長が最近、副社長の話をしてこなくなったのは喧嘩したからではないよね?

それとも適当に選んだ女性と結婚を決めちゃって、社長も安心してしまったとか……?

あらゆる可能性を考えては手が止まる。

そもそもどうして私は、こんなにも副社長のことばかり考えてしまうのだろうか。

社長に言われることもなくなり、副社長だって今まで通りだ。別に私が気にすることはないし、一社員でしかない私にできることもなにもない。それなのに……。
< 37 / 330 >

この作品をシェア

pagetop